気まぐれ日和

ブログという名の備忘録~Let's play in solitude~

命名「にゃん」

 

通勤途中

住宅街の真ん中に、40段ばかりの階段がある。

朝はそこを上っていく。

そこで、ここひと月くらい

2日に1回は猫に会う。

首輪をしているが

飼い猫とは思えない、やせっぽち。

色はこげ茶色だが、すすけている。

どこからともなく現れて

階段を上がる私の足に絡みついてくる。

人懐っこいのだろうが

階段を踏み外しそうで

危ないんだよあなぁ。

「おはよう」と声をかけると

にゃんと鳴く。それも、面倒臭そうに。

一緒に階段を上りきるとどこかへ行ってしまう。

ほんのささやかな逢瀬なのだ。

 

たまに夜現れることもある。

人気のない、街燈の届かない暗い階段なので

暗闇に同化した色で突然足にくっついてくると

悲鳴を上げそうになる。

心臓に悪い。

 

今日はどうしたことか

絡みついてくることはなく

隣に並んでいちばん上まで登り

そこでお腹を見せて転がっている。

まるで撫でろと言わんばかりに。

私ぁ、仕事で急いでるんだよと思いながら

ちょっとだけ撫でてやった。

するとそれで満足したのか

にゃんと言い残して去っていった。

はぁ?

 

今日から おまえを

「にゃん」と呼ぶこととする。